※まずは注意書きをお読みください。
ごちゃごちゃ書いてあるので、面倒な方は太字だけどうぞ。
リーマンパラレル第9話。
カリファ×サンジです。
基本はゾロサンだけどカリサンで、しかもちょろっとナミサンでロビサンハンコックサンヒナサン、ようするに女性×サンジ、及びゾロ×サンジのサンジ総受けです。
サンジが非常にマゾマゾしいです。
もろM男です。
バイブ等の道具も使用しています。
乳首責め尿道責め射精制限ネクタイ拘束言葉責め、当然ながら18禁で、そんなの裏におけよって自分でツッコミいれたいくらいですが、一応リーマンパラレルなのでここに収納。
女性との露骨な絡みが苦手な方、及び、SM臭いエロをお好みでない方、もちろん道具使用がお好きでない方、ここは回避されたほうが賢明かと思われます。
忠告を無視されお読みになって、ご不快な思いを当方に書き込みされますと血圧が上がってしまう恐れがあり大変気の毒です、管理人が。
それでも勘弁ならんという方は、ご自分の肘の皮をおもいきり抓られると、怒りが幾分和らぐかもしれません。是非お試しください。
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百合コレクション
ちゅっと音を立てて、盛り上がったふくよかな胸の蕾を吸う。ぎゅっぎゅと掌いっぱいに、弾力のある肉塊を揉む。
「……ふぅ…」
大きく白い胸をぷるんと震わせ、カリファが甘い息を吐いた。
ふふっと笑い、耳にかかる金色の髪を指先で掻きあげ、
「そんなに美味しい?」
自分の胸を吸う男に問いかけた。
「…ん、んっ」
サンジの鼻からも甘い息が漏れた。目を瞑ったまま、ぷくっと膨らんだ薄紅色の乳首を口に含んでいる。軽く音を立てて吸い上げ、そして舌先で転がしてまた吸うと、その刺激にカリファの胸が震えた。片方の乳首をキュッと摘まれ、また震えがくる。
「んもう、悪戯して。悪い手ね」
サンジの手首を前で重ねて縛り上げた。
それでもまだ、胸の谷間に顔を埋めている。辛そうに眉をへの字に下げて、その額には汗が滲み、金色の髪が額にくっついていた。柔らかそうな細い髪だ。
そっと指先で髪を一房摘むと、目蓋がピクッと動いて、青い目がカリファを見上げた。
「……抜いて」
頼むから抜いてくれと、縋るような目で彼女を見上げる。白い頬が上気してすっかりピンクに色づいていた。
「何故?」
汗が滲む額にそっとキスをした。それがカリファの返事だ。
「もう少し我慢しなきゃ、男の子でしょ?」
そういってコントローラーを手繰り寄せ、レベルを2から4に上げると、
「あっ、っ、…やめっ!やっ!」
サンジはビクッと身を震わせた。肩から背中、そして腰の震えが止まらない。
「んふふっ、可愛い声だして…。これは遊びなの。だから抜けたらお仕置き。わかってる?」
位置を確認するように、その背後に腕を伸ばす。尻の窄まりに太いバイブが仕込まれていた。だがその挿入位置は浅い。先端が前立腺にあたるよう、先だけ挿入されている為、非常に抜けやすい不安定な状態で放置されている。
「ほら、ちゃんと締めないと抜けちゃうわ。それとも、こんなのじゃ物足りない?もっと太いのがお望みかしら。腕よりも太いバイブがいいの?ねぇ、それでお腹の中をぐちゃぐちゃに掻きまわしてほしい?」
ククッと喉奥で笑った。
「ちょっとだけお尻がバカになっちゃうけど。おむつになっちゃうけど大丈夫?」
中途半端な位置にあるバイブを指でグッと押した。グググと深く押し込める。
「んあっ、や、やだっ!そこはもうっ!」
長めのバイブを腸の奥まで挿入されて、ピンと背中が一瞬仰け反りかえった。腹が苦いのか、辛そうな呻き声が漏れ出ている。
「嘘。いやじゃないでしょ?こんなにしてるくせに」
そういって硬く屹立したペニスの先に触れ、湿った亀頭をやさしく撫でて、指の腹が何度も触れたり離れていった。ぴちゃぴちゃと水音がする。
「聞こえる?ここが濡れてるの、ねぇ聞こえるかしら?すごくいやらしい音だわ」
「ん、うあっ…、あっ」
サンジはまた胸の谷間に顔を埋めた。
恥ずかしくて、でも気持ちよくて、顔を上げていることもできずに、大機く白い胸に顔を埋めて、キスを繰り返してまた乳首を口に含んだ。
カリファがふぅと、溜息に似たピンク色の息を吐き出す。
「そんなにおっぱい好き?」
自分の胸に吸い付く男に負けないくらい、彼女の頬も濃いピンク色に染まってきている。あきらかに高揚し、恍惚とした表情だ。
「んん、ふっ…、ん…」
ぎゅっと目を閉ざし、サンジが喘ぎながら返事をすると、クスッと笑って、
「じゃ、今度は私の番ね」
いきなり髪を掴み、有無を言わせぬ素早さで胸から強引に引き剥がし、そのままベッドへと押し倒して上から覆いかぶさった。
「え?あっ!」
「だめよ。逃がさないから」
嫌がる身体の上に乗り上げた。身動きがとれないようにして、ゆっくりと腕を伸ばして、白いシャツを撫でる。その胸を撫でた。やわらかな膨らみなどどこにもない、筋肉質でたいらな男の胸だ。
そして何かを探し出すとシャツの上から唇を落とした。ふくよかなピンク色の唇でシャツを執拗に啄ばむ。
ぴちゃ、ぴちゃぴちゃっと、子猫がミルクを舐める音だ。
「…うっ…ん、ううっ」
縛られたままの両腕で顔を覆った。隙間からすっかり薔薇色に染まった赤い頬が見え隠れしている。
歯でシャツを引っ掻く、そしてじゅるっと啜り上げる、湿った音がした。
「…ひっ、や、あっああ!」
「目は瞑らないで。こっちを見て」
すぐに言われたとおりにしないことに対し、そむけた顔に軽く数度平手打ちして、
「いいから見なさい」
引っ張るように髪を掴み上げた。
白いシャツに小さなシミがふたつ付いている。
ちょうど胸のあたりがしっとりと唾液に濡れて、その下から乳首が透けて見えている。うっすら赤く充血していて、しかも勃っていた。
サンジはおもわず目をそむけた。
「見なさいって言っているでしょ。おバカさん」
つんと尖ったものをシャツの上から引掻いた。
「あ、やっ、やめろっ!引掻くな!」
カリカリと、尖った爪で布を擦る。クスッと鼻で笑った。
「やめろって、あなた誰に命令してるつもりかしら?」
片足をサンジの胸まで持ち上げ、後ろ向きになってカリファはその上に腰を降ろした。ほぼ腹の上だ。片足が割かれて股間が剥きだしになって、閉じないように自分の身体で押さえ込む。
晒された白い臀部をさらに手で割った。
「あら、少し赤くなってる。まだそんなに苛めた覚えはないのに。でもちゃんと離さずに銜えてて偉いわ。気持ちいいからバイブを離したくないんでしょ。好きなのよね、ここに咥えるのが、お尻を苛められるのが」
頬にかかる髪を掻きあげ、カリファがおもむろにバイブのスイッチを切った。同時に低い振動音が消える。
サンジがハッと大きく息を吐き出した。
カリファは後ろ手でサンジの胸をまさぐった。股間は大きく開かせたままだ。またシャツの上から突起に触れる。
「…んあっ、も…そこは嫌だ…」
サンジが訴えた。
「そこってどこ?」
「…乳首」
「どうして嫌がるの?何も痛いことしてないのに?」
また爪先でつんと勃った肉芽に刺激を与えると、
「っ、んっ…」
息とも喘ぎ声ともつかない声を漏らす。ぎゅっときつく摘み上げると全身がぶるっと震えた。
甲高い女の笑い声がした。
「ねぇ知ってる?気づいてた?おっぱい弄るとバイブ咥えたアナルの襞がヒクヒク動いて、バイブまで一緒に動くの。こんなにヒクつかせて、美味しそうにぱっくりと銜え込むなんて」
なんていやらしい穴だと、カリファが楽しそうにケラケラと声に出して笑う。
「…あっ、み、見るなっ!」
サンジの脚がピクッと動いた。自由が利くほうの脚だ。自分の上に乗り上げるものを反射的に排除しようしたが、彼女に触れる寸前でその脚が止まった。
「ふん、どうせ蹴れないくせに。出来るものならやってご覧なさい」
冷ややかな目でサンジを見下ろした。
「……ぃて」
「もっとはっきりと。それじゃ聞こえないわ」
カリファがその顔を覗き込むと気まずそうに目を逸らす。伏せた目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「……解いて…」
顔半分が金色の髪で隠れたまま、
「…出したい」
射精したい、すごく辛い、そこを解放してくれと、掠れ声で訴えた。
白い指がそっと睾丸に触れる。
黒く細い紐で何重にも縛られ、それは陰茎の根本にもきつく巻きついていた。
「ダメ」
紐が食い込んだ睾丸を指先で弄びながら、クスクスと楽しそうに笑う。
「ここを解いたら漏らしちゃうでしょ?ゆるいんだから、すぐにお漏らしするからダメよ」
だからダメだと、目が悪戯な猫のようだ。
「縛ってあるのにこんなにびしょびしょにして。なんて締まりがないのかしら。パッキンでも壊れてるの?バカなちんぽね」
もう一度『バカちんぽ』といって指先でペニスを弾き、整えられた長くキレイな爪先で尿道口を引掻いた。
「ひゃあ、や、や、あ、あっ、あああっ!」
「痛い?それとも気持ちいい?どっち?」
「うっ…あ、や、痛っ!」
「嘘だわ。またよだれ垂らしてるじゃないの」
「…違う、嘘じゃないからっ!マジで痛てぇっ!」
悲鳴に近い声だ。
「それも嘘。おしっこの穴をパクパクさせて喜んでるもの。ほんとは気持ちいいくせに。アレもいやコレもいやって我儘ばかりいって、全然嫌じゃないくせして、さっきからだらだら垂れ流してばっかで、本当に締まりがない穴だわ。身体みたいに正直になれば?嘘ばっかりついて!嘘つきっ!」
カリファが射るような目でサンジを見下ろした。
「まだわからない?」
意地悪な氷の笑いを浮かべ、
「ほんとうにバカな子。なんて頭が悪いのかしら。ここまでやってあげているのに。一から十まで教えなきゃならないなんて」
指先で顎をくいと持ち上げ、
「ほら自分でお尻を広げて!中がよく見えるように、隠さず全部曝け出すの!そしてそのお尻を振って、ゆるゆるのちんぽをもっと苛めてほしいとおねだりしなさい!お尻もちんぽも乳首ももっと痛くしてって、苛められて喜ぶヘンタイだからってお尻を振って!これは自分自身が望んでいることなんだと、どうしてわからないのかしらっ!」
どこまでも追い詰める。
「……ち、違う」
サンジが首を左右に振って、
「いいえ、違わない。どれだけ自分がいやらしいか、苛められてどんなにこの身体が喜んでいるか、少しは自覚を持ちなさい!そんな簡単なこともわからないから馬鹿だと言っているの!」
「…違う違う違う!絶対に違うっ!!」
大声で叫ぶと、ぎゅっと閉じた目から涙がぼろっとこぼれ落ちた。
背を向けたまま、サンジは縛られた両腕で顔を隠している。やわらかな金色の髪、カリファは優しく撫でてから頬に触れた。ずっと黙ったまま、涙で頬が濡れている。うっすら髭の生えている顎を指ですくって問いかけた。
「おっぱい舐める?」
先程とは打って変わって、優しく穏やかな声だ。
こっくりと、小さく頷いた頭を自分の胸に引き寄せた。
目はまだ閉じたままだ。サンジの唇は吸い寄せられるように、ふくよかな胸をずっと啄ばんでいる。そうしている間に、カリファはまずは縛り上げた手を解き、そして張り詰めた股間に手を置いた。
睾丸はそのままにして、陰茎の紐だけを解く。
サンジがブルッと腰を震わせた。
「…っ、便所行きてぇ…」
小さな声で要求すると、
「我慢なさい」
唇を尖らせて、カリファはサンジの唇をちゅっと啄ばんだ。そして辛そうな眉の間も唇で触れる。
「…ねぇ」
小さな声で、
「バカちんぽ、私に入れたいでしょ?」
すっかり赤くなった耳に囁きかけると、サンジはハッと胸から顔を上げた。
「…あそこがとても熱いの。…きっと濡れてるわ…。でもおしっこはしちゃダメよ。そんなことしたら、絶対に抜けないような太い栓でちんぽを塞いでやるから」
紅色に頬が上気している。それでも自分に入りたいかと、カリファが淫らな顔でサンジに微笑みかけた。
もしも犬だったら。
尾っぽを振ってしまっただろう。返事の代わりに尻尾をぶんぶんぶんと、自分でも恥ずかしくなるくらい、ぶんぶんぶんぶん振ってしまったかもしれない。喜びのあまり、早々にちびってしまう可能性もある。非常に危険だ。
人間で良かった、サンジは心から思った。
もう手は自由に動く。ならばと、濡れているという秘密の花園に手を差し入れようとしたら、「無礼者!」と、いきなり突き飛ばされ、
「セクハラです」
キリッとした表情で、カリファはクイッとメガネを持ち上げた。冷ややかな目で、いつの間にやらスーツまで着込んでいる。
「…とにさァ、いくら夢とはいえひでぇ話だろ?自分で誘っておいて、俺のケツにヘンなの突っ込んだり好き勝手してさ、なのにこれからって時にセクハラ呼ばわりはねぇよな。ありえねぇ…。しかも変質者をみる女教師のような目で俺を見るんだぜ…。ありゃひどい、いくらなんでもひどすぎる…」
上着の埃を払ってからハンガーにかけて、サンジは大きな溜息をついた。
ゾロはソファーに腰掛けたまま、黙ってプシュっと3本目の酒をあけた。
カリファはゾロの取引会社の女性秘書だ。非常に優秀でとてもクールな女性である。
先々月くらいの話だ。接待の際、先方から、「どこか少しヘンだけど、でも飯は美味い変わった店はないか」と、内々の打診があった。社長の要望らしい。ありきたりの店は飽き飽きしているのだろう。
ゾロは迷わずにバラティエを予約した。
その夜、ドン・クリークとやらの地元やくざの抗争に巻き込まれ、壁に穴が空くわ厨房から火が飛び出てくるわ怪我人は出るわで店内は大騒ぎになった。よく警察沙汰にならずにすんだものだと感心するくらいだ。
そんな有様でも接待は成功して、ゾロの会社は無事に契約が取れた。
後々、件の女性秘書は「社長は大層楽しまれたようなので私としてもそれほど不満はありません。食事も美味しかったことですし。でもあのお店、『少しヘン』じゃありませんでしたわ。『すっごくヘン』でした」そういって、メガネをクイと持ち上げた。
接待の際、サンジとカリファは初めて顔を合わせた。おそらくその時が最初で最後だ。
「なァ、聞いてどう思った?」
ネクタイを外しながら、ゾロの膝に正面から乗った。
「妬ける?」
両腕を後ろ首に回してニヤニヤ笑う。
――どうと感想を聞かれれば。
相変わらず無駄に長いとしかいいようがない。
いつもながらマゾマゾしい、というよりも立派な真性で、もう仮性ではないだろう。
――そして妬けるというか。
またアレがきたか、とゾロは残りの酒を一気にあけた。悠長に酒なんぞ飲んでいる場合ではなかった。
ゾロはネクタイを緩めた。
「ふん、当然のことを聞きやがって。たとえ夢とはいえ、お前は他の女と性交渉を持った。俺というものがいるにも関わらずだ。それを知らされたことによって、俺の受けた精神的ダメージはでかい。よってその慰謝料に相当する行為をお前に対して要求する」
膝に乗るサンジに自分からは一切触れずに、外したネクタイをソファーの横に放り投げた。
社会人になってもう数年が経つ。サラリーマンとしてのビジネスマナーも多少は身についた。嘘をついた方がいいと判断したならば嘘もいえるようになった。嘘をつくコツはその時だけ本気でそう思い込むことだ。そしてついた嘘を忘れないこと。
「慰謝料に相当する行為?」
不思議そうに小さく首を傾げた。
「まず、お前は口で俺のを大きくしろ。手は使うな。咥えながら、てめぇでてめぇのケツをほぐせ。ローションは使ってかまわん。そしてお前が上だ。俺は動かねぇからそっちで動け。そして、俺よりも先に出すのは絶対に許さん」
サンジがククッと笑った。
「お前、何様?」
「もしも俺より先に出したらネクタイでちんぽ縛るからな。いいたかねぇが、お前はかなり緩い。我慢がねぇにも程がある。あの女の台詞じゃねぇが、このバカちんぽが」
すると、ケラケラと声にして笑う。
「なんだそれ?真似してんじゃねぇって。しかも俺の話聞いてねぇし」
「乳首もてめぇで揉んだらいい。俺は一切手出ししねぇから、俺の目の前で引っ張って押し潰しておもいきり喘いで見せろ」
「アホ。誰がするか、そんな変態臭ぇこと」
サンジがゲラゲラと大声で笑った。
「いいか、俺を満足させるのが慰謝料だ。お前が全身で、もういいと言うまで俺にサービスを続けろ。わかったか」
そういって、膝上に座ったままのサンジを見上げた。
気を付けなければならないのは、このとき絶対に目を逸らさないことである。下心とか心の揺らぎを見せてはいけない。そして喧嘩腰にならないこと、感情的にならないことが肝心だ。
「たかが夢の話だろ?」
サンジが真面目な顔になった。ゾロは端から真剣な表情を崩していない。
「たかが夢でも妬ける」
「夢に妬くのか。やっぱバカだ」
「バカでもかまわん。面白くないんだからしょうがねぇ」
そのまま二人は口を閉ざし、睨み合うように互いの目を見た。
そしてサンジの青い眼がすうっと細まると、
「了解」
短く返事して、ゾロの頬に軽くキスをした。
膝から降りて床に腰をおろす。スーツの上から股間の温かなふくらみに顔を埋め、ちらりとゾロを見てから、ファスナーを歯で咥えてゆっくりと下げた。
「…ん」
隣でごろりと寝返りを打つ。
「ったく、寝よだれなんか垂らしやがって…」
ゾロは自分の手でサンジの緩んだ口元を拭った。
閉じられた目元と頬にはまだ涙の跡が残っていた。さっきまで続いた行為の名残だ。
サンジを上に乗せたまま、ゾロは「まだだ」「もっと」と、何度もその言葉を繰り返した。
照明は消さなかった。それどころか、あえて調光を一番明るめ設定した。
全部丸見えである。
さすがに恥ずかしいのか、赤くなった顔をずっと腕で隠していたが、途中からなりふり構わず髪を振って、ぼろぼろと涙を流すようになった。
許可を得ずに粗相してしまった陰茎は、サンジ自らの手で縛り上げさせた。使用したのもサンジのネクタイだ。目はずっと伏せたまま顔も上げずに、ただ微かに指先を震わせていたのが印象的だった。
「それじゃ緩い。もっと」
辛そうに呻くのを無視して、
「もう漏れないようにきつくだ」
根本から雁口までぎゅっと縛らせた。
その一部始終はもちろん脳内メモリーに保存した。
崩れそうな身体を「勝手に休むな」と言葉で起こす。
「浅く深く。ゆっくりと腰を降ろして根元までだ」と、ふるふると太腿の筋肉を震わす男に要求する。
恥ずかしそうに色づいた頬。黙って眺めているとすぐに腕で隠してしまう。だがその腕を下げさせるのはとても簡単で「乳首を弄れ」と一言いうだけである。
眉はへにゃりと下がりまくって、真っ赤になって腰を振り続ける様に、『絶景』と、ゾロは手を合わせて拝みたくなった。
こういうことは初めてではない。
正確な回数は覚えていないけど、おそらく6〜7回目くらいはあっただろう。
最初はナミの夢だった。
こんな夢を見たと、先程のような下手なエロ小説を延々と語られた時、ゾロの顎は床まで落ちた。心底呆れた。
しばらくして、そんなことがあったことすら忘れてしまった頃、こんな夢を見たとロビンの話をした。
『何故かあっちからもこっちからも手がいっぱい出てきて、ロビンちゃんに身体中を弄られて、キレイな手でちんこ扱かれて喜んでたら、尻からもにょきっと腕が生えてきた』、等といかにも夢らしくシュールな感じの内容だった。
もう暫くしてから、余程お気に入りなのか、またナミの夢を見たといってきた。
『…でさ、ナミさんのあそこはちょー温かくて締りがよくて気持ち良過ぎて、まるで温泉に入っているように心地よくてさ、あー極楽極楽って思ったらば、『サンジくん、後ろも触って…』って。後ろって、もしやナミさんのアナルかっ!いいのか触っても!って遠慮せずに手を伸ばしたけど届かなくてさ、『サンジくん、早く…、もう早くってば!』って、でもどう頑張っても何故か手が届かなくて、『んっ、いいっ、そこ気持ちいいっ…!』なんて何もしてないのに喘ぎはじめて、俺ァどうすればいいんだって思ってたら、『バカね。気持ちいいのはここ、ほら、ここでしょ』と、ナミさんが俺の尻をグイッと広げてさァ、そしたら後ろからてめぇが入ってきやがった。ナミさんゲラゲラ笑ってるし。ナミさん、『ここ』って俺の『ここ』と違うだろ!俺、今オカマ掘られてんだけどっ!なんて文句いえるはずもなく、前と後ろでガンガン突かれて』
腰が抜けたかと思うくらい気持ち良かった、夢精した、俺って若い、などとコメントに困る夢の話をされて、ゾロは本当に開いた口が塞がらなくなってしまったことがある。もったいないことに、口から酒をだらだらと零しまくった。
この男が女好きなのは学生時代から知っているが、もちろん性的なものを含め、今は自分と付き合っている。その自分にそんな話をして、どう感想を言えばいいというのか。
そうしているうちに、ゾロは気づいた。
夢がきっかけになるのか、またはそういう時期だからそんな夢を見るのかはわからない。だが、タイミングさえ掴めれば、この男は普段から想像もつかないほど、ありえないくらい、まるで別人のように従順になってしまう。
ただ、そのタイミングが問題だ。
『これまたすっげ美人でさ、こんな美しい人がこの世にいるのか!うおおおおお、まさに女神様っ!って崇めたくなるくらい美人でさ。『キャーーッ!蛇姫さまーーーーーっ!』って飛びつこうとしたら、何故か石になっちまって身体が動きやしねぇ。そんな俺に『この虚け者が。わらわに触れようとは百万年早いわ!』なんて、すげぇ仰け反って大威張りで、俺、蛇姫さまにならヒールで踏まれてもかまわないと思ったね。といっても、石になっちまったから言える筈もねぇんだけどさ…、しかも踏んでくんねぇし、別に踏まれたいわけじゃねぇけど』
前にこんな夢の話をされて、ならばとゾロが床に押し倒して、そんなに踏まれたいのならしょうがないと要望どおり踏みつけようとしたら、
「…っめぇ…。ふざけんなああああああ!てめぇに踏まれてどうしろってんだクソ野郎がっ!俺はマゾじゃねぇぞ!ああもうもうもうぶっ殺す!やっぱ死ね!死んで俺に詫びろっ!」
と、いきなり戦闘モードに切り替わった例もあるので、充分な注意が必要だ。勇み足は命取りとなり、かなり面倒だが最後まで夢の話を聞いて、策を練らねばならないのが欠点である。
見たことも聞いたこともない女将校が出てきて、『わたくしを通り過ぎるものは全てロックされる』と、また拘束ネタかと思われる夢の時も失敗してしまった。もろ逆鱗に触れた。
だが、そのタイミングと段取りさえ見誤らなければ、今日のようにマゾ炸裂だ。
不定期ではあるが突如やってくるこれらの現象を、ゾロはサンジの発情期ではないかと考えている。間違っているかもしれないが、そういった事象があるのは事実だ。
サンジがまたごろっと寝返りを打った。
襟足の毛が少し伸びてきている。金色の髪を指先で軽く摘まんでから、その剥き出しで冷たくなった肩に毛布をかけ、ゾロもゆっくりと目を閉じた。
余談ではあるが、取扱注意なサンジの夢物語、だがゾロにとってもうひとつ利用価値がある。対ナミ戦で自分が参加したときの話などがそうだ。実をいえば、それらはネタになる。抜ける。多少アレンジすれば今回の夢も悪くないかもしれない、こっそり使わせてもらうだけなら個人の自由だからと、内緒で活用させてもらっていた。
様々な女性との性交渉、セックスしているというよりも、やられ感が半端ないサンジの夢を、ゾロはひそかに百合コレクションと呼んでいる。
END
2010/02.10