「あ、あれ?」
「……」
「何だ、この色?」
「……」
「しかも微妙にデカクね?」
「……」
「どうしてこんなのがって、おい、黙ってねぇでなんとかいえよ。てめぇの温めた卵だろうが」
「なら訊くが。おめぇ、まさか浮…」







「お。今度は俺と同じ緑だ」
「ぶったまげるほど想定内だな。じゃ、最後の1個は黄色に1万ペソ」
「このまま一気に緑だこのヤローに1万リラ」
「黄色に決まってんだろトーヘンボクに10万ルピア」
「そうはいくか緑だドアホーに10万ボンバー」
「ボンバー?」
「景気よさ気だろうが」
「インフレばっかで、なんのシューティングゲームだボケ」






「お。俺と同じ黄色だ」
「ようやく1匹孵りやがった」
「もたこらしてたわりにゃ、意外とまともじゃねぇか。期待させやがって」
「ビビってたくせに何を抜かす」
「さすがにエイリアンとは思ってなかったけどさ、もっとすげぇかなって。怪鳥みてぇな?」
「怪鳥?」
「アホ。快調じゃなくて、怪鳥。会長でもねぇぞ。口から火を吐くヤツ?
ご開帳なら俺が鼻血噴いたりして」
「………。」
「最後は半分冗談だ。まともに受け取るな」
「………。」
「ようするに、お前の卵ならそんなの生まれても不思議じゃねぇよな?」
「……もういい。いいからひとつだけ答えろ。俺は何処からツッコミ入れたらいいんだ?」






「しかし遅ぇな」
「ようやく近くにきやがったな。このビビリ野郎」
「ビビリ?思慮深く、ただ慎重なだけだ」
「ふざけんな。ないもの強請りも大概にしろ」
「それにしてもマジで遅ぇ。何もたもたしてやがんだ。軽く蹴り飛ばしてみっか?
突っついてみるとか?」
「ビビリのくせに、どんだけ短気なんだおめぇは」





「……何が生まれるんだ?まさかカエル?」
「んなわけねぇ」
「……もしや蛇とか」
「フツーに鳥だろ」
「……イボイノシシとか。ひょっとしてエイリアーーン!?」
「イボイノシシはおそらく卵じゃねぇぞ」
「いきなり卵からガバアッときたらどーするよ?どーしたらいいんだ?とりあえず蹴り飛ばすか?」
「いいから少し落ち着け。お前が生んだ卵だろうが。エイリアンが出てくるかバカ」
「だからエイリアンなんだろうが。オスが卵生むかってんだ。アホめ」
「……アホはおめぇだ。反論は受付ねぇ」
「どうした?」
「飽きた」
「卵の上で寝るんじゃねぇ。潰れたらどうすんだ。それでなくともてめぇは重いのに」
「それもドージン設定か?そんならてめぇが代われ。そっちの方がドージンとやらに近いぞ」
「決着ついた話をまた巻き戻すんじゃねぇ。シツコイ野郎だぜ。ちなみにこれもデフォで事実だ」
「ぐだぐだうるせぇ。しかし、これ腐ってんじゃねぇか?」
「お前の体温が高すぎてゆで卵になってるとかならありえる」
「ボケ。そんなんじゃなく、いくらなんでも孵るのが遅………」
「遅いんじゃなくて、放って置かれてるだけだと思うが」
「……ちょっと待て」
「?」
「…………動いた?」












「何だ、こりゃ?」
「……巣作り?」
「こんなことする余裕があんならてめぇが温めりゃいいだろうが。お前が生んだ卵なんだから」
「いや、偶然俺の股に落ちてただけ…」
「もういい。やめろ。その話は長くなる。しかし何で俺?」
「てめぇのが体温高いだろ」
「アホ。そりゃ同人設定だ。何を根拠に…」
「この界隈じゃ有名な話らしいぞ。とにかく、この勝負はお前の勝ちでいいから」
「何の勝負だ?」
「…母性?俺ァ、負けてよかったぜ…」
「…………」
piyo 2008

▼下へいくほど新しいです。可愛いくせにナマグサイこともします。