※注意事項

リーマンパラレル第10話。26歳設定。『百合コレクション』と同じ傾向のもので、女性によるサンジ責めとなります。
基本ゾロサン、でもシャッキー×サンジ。
シャッキーによる尻打ち、アナル責めをベースにした、サンジがまたまた非常にマゾ臭いSMエロ。
ここまでで嗜好が合わないと少しでも感じられた方は回避願います。
すまなんだ仕様です。





生けどりの花





「お前さ、何時頃ここ出る?」
サンジに聞かれてゾロは時計に目をやった。見れば午後6時を少し回ったところだ。夏時間になって外が明るい。天気がいいからまだ昼間のようだ。
「7時過ぎだとヨサクからメールが入ってたな。ジョニーもそんくれぇにはこれんだろ」
「何処でやるんだっけ?」
「西口裏の」
「いつもの店か?」
ソファーにもたれかかり、雑誌を眺めながらゾロは頷いて返事をした。
昨夜からゾロはサンジのマンションに滞在している。久々に過ごした二人だけの週末の夜だった。
今夜ゾロは飲み会があって、サンジも予定が入っているため、夕方以降はそれぞれ別行動となる。
「お前は?」
ゾロが訊いた。
「7時までにジジイがここに来ることになってる」
「ちょうど俺と入れ違いか」
ペラペラと何気にページをめくると女性のグラビア写真が目に飛び込んできた。
まだ幼さが残る顔に大きな胸、そしてくびれたウエスト、水着姿のその女は鮮やかなオレンジ色の髪だった。ナミに少し似ているかもしれない。
「おい」
クッションを枕にして、カーペットにごろっと横たわるサンジに声をかけた。
「変な夢はまだたまに見るのか?」
「変な夢?」
「たまに女の夢を見んだろうが。エロエロの」
するとおもむろに起き上がってタバコを咥え、ふうと大きく煙を吐くと、
「聞きてぇか?」
サンジがニッと笑った。


低いテーブルの上に紅茶が置かれた。
「シャッキー?誰だそれ?」
ゾロが訊いた。ナミでもロビンでもカリファでもなく、おそらく初めて聞く名前だと思われる。聞き覚えがない。
「さあ、俺も知んねぇ。だけど自分でシャッキーだと名乗ってた。どこぞのぼったくりバーのマダムだってな。実際会ったことはねぇと思うんだけど、ただ忘れてるだけかどうか定かでない。でも所詮夢だしな。話の流れだって唐突だしさ。なんでそんなことになったのかさっぱりだ。でさ、その女が」
自分の紅茶もテーブルに置くと、ソファーに浅く腰掛け、サンジが話し始めた。






パシン、乾いた音がする。
「…っ」
サンジは呻き、そして苦痛に身を強張らせた。また乾いた音と同時に、激しい痛みが尻に響き、ブルッと腰が震えた。
「いい色になったわね、坊やのお尻」
見せてあげられないのが残念だと、シャッキーは尻打ちパドルを握りなおすと、その平らな部分をさらにサンジの尻に打ちつけた。
「っ、あああっ…!」
悲鳴に似た声が喉奥から迸った。


スーツの上着をいつ脱がされたのかサンジはわからなかっら。身に着けているのは白シャツと黒のパンツしかない。
腕は背後でひとつにまとめられている。そして両脚は広げられまま足首を椅子に固定されていた。がっしりと頑丈そうな、かなり年季の入った椅子だ。そしてそのままの状態でズボンが下ろされ、尻だけもろだしになった格好である。
シャッキーはその椅子に縛られていたサンジを抱き起こし、腰掛けるとサンジの上半身を自分の膝上に置いた。
うつ伏せにしたまま、白いシャツの襟足から覗く肌を左の指先で撫でると、
「汗かいてる」
そう呟いて、今度は右手で尻を撫でた。その表面はピンク色からさらに赤味の強い色へと変化している。
臀部の皮膚が熱い。モチを捏ねるように強く握ると、またサンジが呻き声をあげた。赤くなったそれを、シャッキーは掌で執拗に揉む。ぎゅっと握り締め、
「あ、あああ!もっ、もう触んなっ!」
やめてくれと、その訴えと悲鳴に、楽しそうに頬を緩ませながら、
「うふふ」
笑って、
「もっと楽しませてくれなきゃ」
そういって、股間を割って指を奥へと滑らせた。
サンジの身体がビクッと震え、シャッキーの指が陰茎にかすかに触れる。
根元からゆっくりと撫であげ、先をかるくキュッと絞って指が離れていった。その物足りなさに、サンジの腰が跳ねた。
「硬さが足りないわ」
同時に指がアヌスに差し込まれ、
「…っう」
遠慮ない指の動きに、襞がキュッと窄まる。一本から二本、すぐに指が増えてゆく。三本指を捻じ込むように入れ、またすぐに二本に戻し、シャッキーは腸の奥を弄った。
「襞も腸の中もやわらかくて指に吸いつくよう。いったい誰に開発されたのかしら」
グイッと中で指で広げる。
「ねえ、ここをいつも誰に弄ってもらってるの?キミの恋人?」
項垂れたままの顎を上げて、
「返事は?」
その問いかけにサンジは顔を逸らす直前、青い目でシャッキーを睨んだ。奥歯を噛み締め、ぎゅっときつく閉ざされた唇が返事だ。
「ふふっ、そんな目で睨まれるとうっとりするわ」
ゾクッと氷のような笑みを浮かべ、シャッキーはまたパドルを握ると、赤くなった尻をまた容赦なく打ちつけた。
乾いた大きな音と同時に、
「あっ、あっ、ああああ!」
サンジが悲鳴をあげた。
「お尻を叩かれるのは痛いでしょ?敏感だもの。だから性感帯だって知ってた?」
パドルが振り下ろされる度に背がピンと仰け反り、そして肩が震える。
「まるで薔薇が咲いたみたいよ。白いお尻がピンクや赤に染まってるのってとても綺麗。さあ、もっと咲かせてみて」
高く大きく振りかざした腕を、シャッキーは叩き付けるように振りおろすと、甲高い悲鳴をあげてサンジの身体が大きく震えた。


パドルを置いて、また指をアヌスへ入れる。
彼女が同じ動きを繰り返す。
「…んっ、あ」
「そう、ここが気持ちいいの」
二本指で前立腺を押して、撫でて、刺激する。股間が萎えてないかどうか確認すると、
「もう萎えさせないように、私の手を煩わせないようにして。わかってる?」
素早く指を引き抜き、シャッキーはパドルでまた尻を打ち付けた。
「ああっ!」
サンジが頭を左右に振り、それを激しく拒絶する。
「やめてくれっ!!」
パシンと、響く音が少し湿りを帯びてきた。汗か、または血でも滲んできたのか、
「後で薬塗ってあげる」
シャッキーがまたパドルを振り下ろした。


サンジの息が荒い。ずっと肩で呼吸している。
だがそれは甘さを含み、我慢できずに吐き出される声は、ほぼ喘ぎに近かった。
すっかり柔らかくなったアヌスの襞を玩びながら何度も指を抜き差しし、その反応にシャッキーは頬を緩め、
「さあ、顎を上げて」
左手で喘ぐ喉を撫で、震える顎を持ち上げた。
掌で顎を支え、指を口に入れる。
「しゃぶって」
一本、また一本とサンジに指をしゃぶらせ、同時に右手でアヌスを愛撫すると、
「痛っ…!」
シャッキーが声を上げた。
みるみるうちに顔が歪む。サンジの口から流れる唾液に血が混じった。
彼女は噛まれた指はそのままにして、
「いいわ。噛みたいだけ噛みなさい。坊やに甘噛みされるのも悪くないから。そのかわり我慢するのよ。おもいきり泣き叫んでいいから最後まで耐えてみせて」
そういって、右手をそのまま尻に叩きつけた。
肉で肉を打つ、甲高い打音だ。パドルとはまた違った音である。
「あ、あああああ、あっ!!」
太腿をグイッと広げ、アヌスと睾丸をさらに曝け出すと、狙いを定めたようにその窄まりを打ち据えた。
「あ゛、あ゛あ゛、やっ、やめろってっ!!!」
「ほら、脚は開いてなさい。ちゃんと叩いてあげられないわ」
「いっ、あ、あああああああっ!やっ!!」
金色の髪を振り乱し、激しく拒否する身体も悲鳴も全部無視して、執拗に叩くシャッキーの手は容赦がなかった。
元の面影がないほど赤く熱をもった臀部、睾丸の裏やアヌスに、悲鳴を上げるほどに溢れる唾液は彼女の手から零れ、その指はサンジの喉まで犯した。
急所だけに女も手加減しているかもしれないが、それでも既にいたぶられた身体には、充分すぎるほどの刺激と苦痛だ。
泣き喚き、息もつけぬほど打ち据えられ、呼吸を整える暇もなくシャッキーの右手の指はまたアヌスに吸い込まれ、
「…んっ、あ、や、あああっ」
シャツからはだけた肩は汗ばみ、彼女の膝の上でサンジの身体が仰け反り、そして跳ねた。



身体が震え、低い嗚咽が聞こえる。
「さあ、顔を見せて」
グイッとさらに顎を上げて、ずっと咥内を犯したままのシャッキーの手から、唾液とも涙ともつかないような液体がだらだらと流れ落ちていった。
「ふふふ、泣いてるの?」
シャッキーが煙草を咥えながら、顔を覗きこんだ。真っ直ぐにサンジを見る。ぐっしょりに濡れた睫毛を震わせ、目を伏せわずかに顔を背けるのを、彼女は追い込むようにさらに顔を近づける。
「気持ちいい?」
更に問いかけるとそっと目を伏せ、自分の指先にあたたかく湿った舌が絡むのを感じ、彼女がニッと笑った。
ふっくらとふくよかな唇で、涙に濡れた頬と眉にくちづけを落とすと、また右手で尻を打ち、サンジの甲高い悲鳴に、
「………なんていい声で啼くのかしら」
うっとりとした表情で呟いた。彼女の頬が高揚し、ピンクに色づいている。
「あっ、ああっ…!」
傷つき、腫れて真っ赤になった尻を掌でぎゅっと握ると、サンジの喉が仰け反った。
また叩く。
体内を愛撫する。
股間から手を伸ばし、前に手をやり先端に触れると、昂ぶったソレがピクッと反応した。
「ちんぽがお魚みたい。ピクピクして可愛いけど、あまり触ると出ちゃうわね。でも心配しないでいいわ、手なんかじゃ絶対に出させないから」
シャッキーの手が、指が、曝け出されたアヌスを打ち、喘ぎ震える喉に指を差し込んだ。
えづきながらボロボロボロボロ涙が零れ、肩や仰け反る背、そして打たれるたびに身を震わせ、篭った声で泣き叫ぶのを聞いて、
「教えてあげるわ。坊やの反応はすべて逆効果よ。やめて欲しけりゃただ反応しなきゃいいだけ」
冷たい笑みをうかべ、
「さあ、もっと踊ってみせて」
叩き抉られ、赤くなったアヌスをさらに抉り、また一層激しく尻を打ちすえた。
「あ゛っ、あ゛あ゛、っ!」
喉を反らして喘ぎ、全身を強張らせる。声にならない声を絞りあげ、ブルッと身を震わせ、叩かれるたびに精が迸り、サンジの身体が痙攣した。

「私の断りもなく出していいと思ってる?坊やを喜ばせるために叩いたんじゃないのに、これじゃお仕置きにもならないじゃないの」

調教してあげるわ。私に感謝しなさい、と、女の低い笑い声と温かい息が、意識が遠ざかっていくサンジの耳に吹きかかった。






「確かに女のがかなり年上っぽかったけどさ、俺が坊やってアリか?」
サンジがカチャカチャ食器を片付ける。
「クソが、目の前でプカプカ煙草ばっか吸いやがった。しかも勝手に縛って身動きできなくさせておいて、これまた頼みもしないのに人の尻を叩いておきながら俺が淫らとか、思い出してもひっでえ女だ。なにが調教してあげるだ。誰もそんなの望んでねぇって。ふざけんな。ちょいと年はいってたがそこは美人だから許すとして、しかも目が覚めても尻がじんじんじんじんしてさ、マジでぶっ叩かれたんかと思ったけど傷があるわけじゃなし…」
ちらりとゾロをみた。
「おい、カップよこせ。それと口から紅茶が垂れてる。汚ねぇ。締まりがねぇ口元だな」
そういってテーブルに置かれてあった布をゾロに投げよこした。
「…あ?」
ぱかんと口を開けたまま、ゾロはいわれるがままその口元を拭うと、「台ふきんじゃねーかっ!」大声で怒鳴ってからじっとサンジを見た。
「変なAVばっか観過ぎだといいてぇとこだが、お前やっぱそういう願望があんのだろ?ただ自覚がねぇだけで。相変わらずだがマゾくせぇなんてもんじゃねぇぞ」
「願望?少なくとも、てめぇにケツ叩かれたらなんて、想像するだけで怒りに血管がブチブチぶち切れそうだが。確かにマゾっぽいけどさ、だからといって願望がすべて夢に変換されるわけじゃねぇだろ」
ちなみにその手のAVは観ないとサンジが否定した。あまりマニアックなのは好みじゃないそうだ。
「全然違う」
「何が?」
マゾっぽいんじゃなくて、マゾそのものだとゾロは心で反論し、時計を確認して強引にサンジの手首を掴んだ。グイッと自分に引き寄せ、そして睨む。
「なに怒ってんだ?」
「べつに」
「別にってツラじゃねぇが」
「気にすんな。俺は昔からこんなツラだ」
ゾロは片手で携帯を取り出しその電源をオフにして、そしてサンジの携帯も勝手に開いて操作した。
「おいっ!ふざけんな!人の勝手に切ってんじゃねーって!なに考えてんだこの野郎っ!」
大声で怒鳴るのを無視して、そのまま手首を捻ってサンジを突き飛ばした。床に倒れこんだ身体に上から乗り上げ、ゾロはサンジの喉元を押さえる。
「7時まで30分ちょいあるな。30分で済むとは思えねぇが、それもこれも全部てめぇが悪い。諦めろ。こんな間際で、夕べ話せばいいものを」
「…アホが。たかが夢に…」
低く呻ると、
「ジジイはどうすんだ!年寄りなめんなっ!」
怒鳴りながら下からものすごい蹴りを放った。その蹴りをゾロが避ける。わずかに身体を移動させただけだ。
「何年てめぇの蹴りをくらってると思ってる?」
サンジを見下ろし、不敵な笑いをうかべた。
「爺さんが大事なのもわかるがたまには俺を優先しとけ」
「ジジイが大事とか、なんだそれ?」
サンジはニッと笑って、三重のフェイントをかました。1発2発を軽々と避け、そして3発目の読みを誤った蹴りはゾロの脇腹を直撃し、サンジはそのまま玄関へと走った。
ドアノブに手をかける瞬間、シャツの襟足を掴まれバランスを崩し、そのまま投げるように床に叩きつけられた。
「…っ、う…」
床に頭を打ちつけたのか、目の前がふらついてサンジは起き上がることがない。眩暈がして、血の匂いがつんと鼻をついた。いつ切れたのか唇から出血し、その上にゾロは馬乗りで乗り上げた。
「………こ…うやって、てめぇがいつも乱暴だから、俺があんな夢みんじゃねぇの?」
仰向けで倒れたままのサンジを見下ろし、ゆっくり身を屈めるとその唇についた血を舐め、かるく舌を絡ませ、啄ばむようなキスをしてからゾロは唇を離した。
「さあ?てめぇの資質だろ?」
「…何が資質だ、いいからどけ」
だがゾロは返事をしない。
「マジで時間がねぇんだって」
「30分ある。チクショー、脇腹痛ぇ…」
短く唸って、またキスをして、
「…少しは話聞けバカ」
「嫌ってほど聞いた。もういい」
ゾロの手がサンジの腰を愛撫する。シャツの間から素肌を撫で、
「いいじゃねぇって。離れろ」
圧し掛かる身体を引き剥がそうとしたその瞬間、玄関に空気が流れて、光がさっと変化した。
サンジが床に倒れたまま、仰け反って扉を見る。突如として開かれた扉、そこに黒く大きな人影があった。

「……てめぇら玄関先でなにやってやがる」

「喧嘩?」
そのままの状態でサンジが返事すると、
「……喧嘩にゃみえねぇぞ馬鹿どもめ。夕方とはいえまだ陽があるというのに…」
二人を見てゼフが顔を歪めた。ひどく不快そうな表情だ。
「な?言ったよな?年寄りなめるなってさ。ジジイは何かにつけせっかちだ。老い先短ぇからさ、ぐずぐずしてたら人生終わっちまうもんな。だから7時といえば余裕で30分前だ。行動が侮れねぇったら」
ククッと笑うのを見て、
「年寄り呼ばわりするな」
ますますムッとした顔で、今度はゾロを睨みつけた。ゼフの表情は不機嫌なことこの上なく、額にはクッキリとした青筋が浮かんでいる。
「それで、おめぇはいつまでこいつの上に乗ってるつもりだ?」
「アハハハ、固まってる場合じゃねぇってば。ネギ坊主じゃねぇんだからさっさと動け」
ゲラゲラゲラゲラ、サンジの笑い声が玄関先に響いた。





END


※拍手御礼でアップしました。2010/06.05