カマバッカ王国のプリンセス


何だかんだと結局捕まって、スーツをひん剥かれてサンジはドレスを着せられてしまった。
コルセットで腰をギューギュー締められ、どんな拷問かと悲鳴を上げ、
「んまー、やっぱりあなたもそうだったのね!」
「そうだったのね!」
「そうよ!ピンクこそ乙女の色だわ!あなたも乙女よ!」
「いやんラブリー!」とオカマに煽てられて、サンジは非常に機嫌が悪い。

ピンク色のドレスだ。
誰もいなくなった部屋でサンジは鏡を見た。
怖いからあまりまともには見れないが、地獄図を見せられたせいだろうか、アレらに比べれば自分はまだマシなような気がする。
男がドレスなんて似合うはずもないが、でも意外と悪くない。
これでもしも胸があったら、なんてうっかり思ってしまったのはどうしたわけか。
ためしに伊予柑でも詰めてみっか?伊予柑だとビビちゃんくらい?いやコニスちゃん?でもナミさんにゃ負けるよなー、なんて考えた後、ふと我に返った。
これはなんの呪いかと、自己嫌悪のあまり髪を掻き毟り、激しく地団駄踏んだ。
そんなサンジを見てフラミンゴが笑っている。







サンジもどき、おまけに女装で非常に申し訳ない…。
本誌でどんな扱いされようと、どんなにアホでもサンジの良さは損なわれないのであります。
サンジはサンジ故に、どこまでもサンジなのであります。

2008/11.26